焼酎の種類

一次仕込の際にできる一次もろみに、アルコールの原料となるでんぷんを含むどのような材料を入れるかで焼酎の種類は決まってきます。焼酎といえば麦、そば、芋、米が一般的ですが、変り種でいうと栗、紫蘇、昆布や牛乳といったものがあります。(京屋酒造の商品で代表的なものは、芋、麦、そば焼酎で「主な商品のご案内」からご覧になれます)

宮崎の焼酎の原料は昔から芋がほとんどで、少し麦やそばがあったくらいでした。その他のバラエティに富んだ焼酎については、ここ20年くらいのうちに生産されるようになってきたものです。

一次もろみに主原料を入れ、仕込んでできた二次もろみを、単式蒸留機(スピリッツ類などに使用される連続式蒸留機に対して,一度しか蒸留しない蒸留機のこと)にて蒸留するため、芋や麦の素材の味が生きた焼酎ができるのです。
本格焼酎は素材が命。京屋酒造では子会社の農園にて農薬を使用せず有機肥料を用いた「甘藷」や「あいがも米」を栽培し、一部の商品の原料として使用いたしております。

宮崎は鹿児島と並び、芋焼酎の一大生産地です。しかし例えば鹿児島といえば芋焼酎、熊本といえば米焼酎、というように、九州地方の焼酎はカテゴリー分けされているのに対して、宮崎の焼酎は芋を中心として麦、そばなどバラエティに富んでいます。しかもそれぞれが穏やかで飲みやすいものが多いです。

クセがなくて飲みやすいというのは逆に言うと、料理に合わせやすいということ。料理の味の邪魔をしないのに味わいもきちんと残っているのが宮崎焼酎の特徴です。

ロック、水割り、お湯割りなど、好みに応じて様々な飲み方ができるのも焼酎の魅力です。特に蒸留酒をお湯割りにするというのは世界でも類を見ない飲み方で、お湯割りにすることで素材の旨みがより際立つという特徴を持っています。いろいろなスタイルで楽しみ、自分の好みを見つけていけるのも焼酎の魅力の一つです。

 

参考文献
「本格焼酎を愉しむ」 田崎真也 光文社新書 / 「酒の話」小泉武夫 講談社現代新書