京屋酒造有限会社 トップ
京屋酒造有限会社

探索シリーズ

このページでは、レポーター『甕山雫子』が京屋酒造や焼酎に関することを取材し、京屋酒造の焼酎へのこだわりと旨さの秘密に迫ります。
皆様も京屋酒造や焼酎に縁のある場所に訪れた気分になって読んでいただければ幸いです。随時更新致しますのでお楽しみに。


樽のふるさとを訪ねて



京屋酒造の人気の麦焼酎「航魂」は樫樽貯蔵の焼酎です。もともと焼酎は貯蔵せず、新酒をのむのが本来ですが、最近はこのように焼酎を樽で貯蔵し、香りやまろやかさを引き立てて飲む傾向が増えてきました。聞くところによると、小さな樽を買って、お気に入りの焼酎を更に自分なりに好きな期間貯蔵してオリジナルの焼酎にして飲むことができるらしいのです。そこで、早速宮崎の北部、都農町にある樽メーカの「有明産業株式会社」にお邪魔しました。

都農町は宮崎県の北部にあり、京屋酒造のある日南市から車で2時間ちょっとの距離です。私たちは京屋酒造を訪問した翌日、宿泊先である宮崎市内のシーガイアを後にし、一路都農町へ向かいました。都農町は人口およそ12000人ほどの小さな町です。最近はブドウを中心にした町おこしにも取り組み、町と民間とでつくったワイナリーが町を見下ろす小高い丘の上にあり、洒落たレストランもあります。一昔前は焼酎がほとんどでワインなど飲む人はほとんどいなかったそうですが、このワイナリーで生産されるワインはまだまだ生産量が少なく限定品ということで、とても人気が高いそうです。

さて、その都農町に10年ほど前に「有明産業」の樽工場ができました。当初は年間300樽程度の生産量だったそうですが、現在は月に300樽程度の生産だそうで、私たちが訪問した際も皆さん忙しく働いていらっしゃいました。

さっそく、案内していただいたショールームにはさまざまは樽が陳列してありました。ここの工場で作ったものの他、世界各地の樽のコレクションもあり、ちょっとした博物館になっています。樽の作り方を説明したパネルや実物、工作機器などもありました。

よく見ると陳列されている樽の中にひときわ可愛い樽があります。そう、これが自宅のリビングルームなどに置いておいて、好きなお酒で自分なりの寝かせかたを楽しめる「樽」なのです。大きさも5、10、18リットルの3種類があります。そこで、私たちは一番可愛い5リットルの樽を分けてもらうことにしました。限定生産のため、通常注文後2週間ほど待っていただくのだそうですが、ちょうど訪問した前日に出来上がったものがあるらしく、折りよくその樽を手に入れることができました。

さて、ショールームの後、早速先ほどのミニ樽の製作工場を拝見しました。小さい樽なので、細かい作業が多くなかなか大変そうです。また、最近は樽の中に保冷のしくみ(魔法瓶のような仕掛け)を作って、氷などでワインやビールを冷やしながらサービスするための樽もつくっているそうです。夏にホームパーティーなどをするときにはぜひ欲しいアイテムかもしれません。私たちが伺った時にはちょうど、その保冷材を詰め込んでいるところでした。

つぎに、樽の内面を焼いて焦がす工程を見せていただきました。この工程がお酒の味に大きく影響を与えます。酒造メーカにより、焦がし具合がさまざまに異なるそうです。深く焦がせば、色が濃くまたスモーキーな香りが強く残ります。一方、浅く焼けば長期間の熟成が可能になり、よりまろやかなお酒を造ることができるのだそうです。
しかし、ただでさえ暑いときに一日火に向かって作業するのも大変なものです。私たちは離れたところから見学させてもらっていたのですが、それでも汗だくになりました。伺ったときには、数年使われた樽が戻ってきて、再度焼いているところでした。樽も数年使うと香りがつかなくなり熟成が進まなくなるので、再度焼き焦がすそうです。戻ってきたたるの内面を5mmほど削って、再び焦がします。3回くらいはこのような工程で再生して使われるそうです。

ちょっとここで樽のことを説明しましょう。樽の大きさは600リットル、重さは約100kgだそうです。直径は約80cm、高さ120cmくらいでした。樽の厚さは5cmくらいあります。32から33本の木(つまり、それぞれ木は11度くらいの傾きをもっています。)を組み合わせて1つの樽にするのですが、この木の組み合わせはまちまちのサイズの木から職人の感で32から33本でちょうど一つの樽になる(つまりあわせると丁度360度になる)組み合わせを選ぶか決めるのだそうです。そして、ぴったりはまって水の漏れない立派な樽になるのですね。ここで生産される樽にはまったく接着剤は使用していません。ですから、有害な成分が熟成の間にお酒に浸出することもないわけですね。
こうしておいしいお酒がでくるのです。
これから樽貯蔵のお酒を飲むときはこの工場で働くみなさんにも感謝しながらいただくことにしたいと思います。



『3.自家栽培のお米は合鴨も大好き?』へ >>
<< 戻る
(C) Copyright KYOYA SHUZO. All rights reserved.