京屋酒造の焼酎はすべて天然水を使って醸造され、原酒以外はその同じ水で割水をしてつくらます。今回、特別の許可を得てその水の源泉を確かめることができました。京屋酒造の社長も20年ぶりに見るというその水源とはどんなところでしょう。さっそくご紹介していきましょう。
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まず、水源の場所は京屋酒造の工場がある日南市平野のこんもりとした山の奥深くにあります。京屋酒造の社長と社員の方に案内されてスタッフは工場から車で5分ほど走った山の入り口にやってきました。ここからは徒歩で山に入るしかありません。次第に鬱蒼とした山道になります。10分くらい歩いたころでしょうか。案内の社員の方が、「これが工場まで水を通しているパイプです。」と指し示しました。見るとなるほど、直径5cmほどのパイプが山の中に走っているのが見えます。しかしほとんどは茂みのなかに隠されていて良く見ないと分かりません。でも、このパイプをたどっていけば水源にたどりつけるはずです。
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それからしばらく山道を頑張ってあるきました。そして、とうとう水源が見えた!のです。しかし斜面が急でこれ以上、どうにも水源に近づくことができません。「ここで断念することはできない!」スタッフは社長とも相談し、少し山を降りて再度別ルートから水源にアプローチすることにしました。
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時刻は既に11時。ここ九州の日南では気温も30度を越えているようです。道の途中にゆりのような花が咲いていたのですが、その周囲をアゲハチョウが飛んでいるのが妙に涼しげにみえました。
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さて、再度アプローチして水源に近づきます。京屋酒造のある日南市はかつては飫肥藩であり、その当時から杉の木が重要な輸出品目でした。飫肥杉として近所の油津港から上方や江戸方面へ送られていたそうです。この土地はそれこそ、伊東氏と島津氏が長年奪い合ったと伝えられています。その高さ30m以上の飫肥杉が茂る山の中を私たちは水源を求めてひたすら上りつづけました。
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すると、突然周りの景色の中には不似合いな人工的なものが目にとまりました。どうやらこれが、谷あいの湧き水を一時的に貯めて、砂を落とす「沈砂池」の役目を果たしている貯水槽のようです。この貯水槽の上流に3箇所の取水口があるようです。
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私たちはこの水源を汚さないように気をつけながら、更に上流に源泉を求めて歩きつづけました。それからしばらくして、もっとも上流にある取水口までやってきました。周りは本当に鬱蒼とした杉の林です。そして、その林の中にまるで緑の洞窟のように茂みの中にぽっかりと水源が見えてきました。この緑の洞窟の奥からこんこんと湧き出る水を、少しづつ採取して仕込みの水に使っているのです。
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水源地から見上げると、杉の頂のその先には宮崎の真っ青な空が広がり、足元には清冽な湧き水がかすかな音を立てて流れていきます。そんな自然のなかにいつまでも立っていたいと思いました。京屋酒造によると、この水はいまだ枯れたことはないそうです。これからは京屋さんの焼酎を味わうたびにこの景色を思い出せるよう、しっかりとまぶたに焼き付けて私たちは帰路につきました。
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